令和5年12月15日(金)
熱海の海蔵寺に於いて
「日本の毛織物工業の父」と呼ばれる
千住製絨所初代所長 井上省三氏の第139回忌の法要を行いました。
私自身、今回、日本羊毛産業協会に来て初めて法要させて頂いたので
ご存じない方もおられるかもしれませんので
井上省三氏について少しふれさせていただきます。
井上省三氏は、日本の実業家、技術者で、「日本の毛織物工業の父」
と呼ばれています。
1845年に山口県の厚厚狭郡宇津井村(現下関市)に生まれ、
1869年に木戸孝允と出会って上京しました。
その後、伏見満宮に随行して欧州へ留学しました。
当初は兵学を学ぶつもりでしたが、殖産興業の必要性に気づき、
ドイツで毛織物の技術を学びました。
帰国後1879年に日本初の毛織物工場「千住製絨所」を開業し、
初代所長となりました。
千住製絨所は、軍服や制服などの羊毛製品の国産化を目指し陸軍省
の管轄となりました。
井上省三氏は自らの技術を民間工場にも民間工場にも伝授し、
日本の毛織物工業の発展に大きく貢献しました。
しかし彼は、明治19年(1886年)12月14日に病により42歳で亡くなり
ました。
享年42歳という若さでしたが、その功績は今もなお語り継がれ、
千住製絨所跡地及びこの海蔵寺に、
「東京千住製絨所初代所長 井上省三胸像」が建てられています。
専務理事 大石 功