お知らせ
2026.01.01

2026年の年頭所感

あけましておめでとうございます。
皆様におかれましては、健やかに新年を迎えられたことと存じます。本年も、羊毛産業協会をどうぞよろしくお願い申し上げます。
昨年を振り返りますと、わが国経済は緩やかな回復基調を維持しつつも、複雑な課題に直面した一年でありました。最低賃金の継続的な上昇による人件費負担の増加、エネルギー価格の高止まりなど、生産性向上への取り組みが一層重要となっております。国際的には、米国の関税政策の影響が懸念される一方、インバウンド需要は好調を維持し、大阪・関西万博が大きな経済効果をもたらすなど、明るい兆しも見られました。
私ども日本羊毛産業協会は、羊毛製品の価値向上と普及に向け、開発・情報発信を行う羊毛産業の団体であり、日本繊維産業連盟に加入し他の繊維業界の各種団体と足並みを揃え経産省やその他の政府機関に対して繊維業界活性化のための要望や意見を提出する活動を続けています。
現在の世界・日本の経済情勢を見ますと、持続可能性や環境配慮への関心がさらに高まり、繊維業界においても資源循環への取り組みが一層求められています。こうした中、天然素材であるウールは、生分解性、再生可能性、長寿命といった優れた環境特性を持ち、合成繊維と比較して環境負荷が低い素材として再評価されつつあります。
当協会といたしましては、本年も以下の重要課題に取り組んでまいります。
まず、ウールの訴求活動として、サステナブル委員会を中心に、ウールの魅力や価値、未来についての情報発信を積極的に行ってまいります。昨年開催した業界向け・アパレル向けセミナーに続き、本年は学生向けセミナーの開催を予定しております。次世代を担う若者にウールの素晴らしさを伝え、羊毛産業の未来を共に創造していくことが重要であると考えております。
環境対策につきましては、羊毛リサイクル、すなわち「繊維から繊維へ」の循環型社会構築に引き続き注力してまいります。リサイクルウール・サーキュラーウールのJIS規格化を推進するとともに、欧州の六価クロム規制への対応としてIWTOとの国際連携を強化してまいります。
エネルギー対策に関しましては、エネルギー価格の高値安定が続く中、政府のエネルギー支援策の継続・拡充を引き続き要請するとともに、各企業におけるコスト管理と体質強化を支援してまいります。
人材難の課題につきましては、特定技能制度の円滑な運用支援を継続するとともに、2027年施行予定の育成就労制度への対応準備を進めてまいります。国際的な人権基準への適合を推進し、技術継承と人材育成の基盤構築に努めてまいります。
また、昨年5月にフランス・リールで開催された第94回IWTO総会では、「持続可能性」「トレーサビリティ」「国際協働」が主要テーマとして掲げられ、世界28か国から170社以上が参加いたしました。ウールのインテリア用途、循環型経済との接点、健康への貢献など、多角的な視点から産業の未来が議論されました。本年も国際的な連携を深め、羊毛産業の発展に貢献してまいります。
我々は、これらの取り組みを通じて、業界全体の持続可能な発展を目指し、日本及び世界の社会に貢献できるよう努めてまいります。羊毛産業が直面する課題は決して小さくありませんが、天然素材であるウールの持つ本来の価値を、環境への配慮と技術革新によって最大限に引き出し、次世代へと継承していくことが私たちの使命であると考えております。
本年も、皆様のご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。