オーストラリアは7000万頭以上の羊を飼育し、世界有数の羊毛生産国として、持続可能な生産方法のグローバルリーダーです。土地と動物への深い敬意に基づく生産は、単なる衣料品製造ではなく、土地の修復と支援、地域社会の維持、炭素隔離を実現する革新的な取り組みとなっています。
この取り組みを体系化したのが「ウールマークプラス」という持続可能性ロードマップです。13の実践的イニシアチブにより、より強固な環境基盤の構築と業界全体の測定可能な変化を目指しています。3つの色と3つの目標で示される包括的プログラムは、自然に優しい生産の加速を中心に据えています。
具体的には、最新テクノロジーを活用した精密農業により、すべての決定が測定され、すべての行動に説明責任が伴う仕組みが構築されています。家族経営が主体の75,000人以上の生産者により、技術と知識、誇りが世代を超えて受け継がれ、世界で最も先進的、効率的、透明性の高いシステムが実現されています。
また、セミナーではオーストラリアが世界有数の認証済み綿花の輸出国であることも紹介され、羊毛と並ぶ持続可能な天然繊維としての綿花の重要性も確認されました。
本セミナーで紹介された先進的な取り組みは、日本の羊毛産業における持続可能性推進への貴重な指針となるものでした。また、関西万博では各国パビリオンでの様々な交流が行われ、持続可能な未来社会の実現に向けた国際協力の重要性が示される場となりました。
